コーヒー研究

コーヒー生豆を水洗いするとこうなった!焙煎まで解説します。

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疑問
疑問
コーヒー豆の焙煎をするときに水洗いする必要はあるのでしょうか?
コーヒー豆を水で洗うと焙煎しにくくなりませんか?

今回はこのような疑問にお答えします。

 

まずはコーヒーに関する経験値をお伝えします。

・バリスタ(2019年10月~)
・コーヒー豆焙煎(2019年2月~)

今まででおよそ40,000gを焙煎。
回数にして200回~400回は焙煎をしました。

これまでの経験からお話しします。

 

コーヒー生豆を水洗いして焙煎するとどうなるでしょうか?
今回は実際に水洗いして焙煎をしてみました。

 

 

読むメリット

  • コーヒー生豆の水洗いの理由がわかる。
  • 水洗いすると生豆がどうなるかわかる。
  • 水洗い後の焙煎の注意点がわかる。
  • 水洗いすべき生豆がわかる。

 

コーヒー豆の焙煎前に水洗いする理由とは?

コーヒーの生豆を水洗いする理由は下記のようなものが挙げられます。

  1. 水洗いするとチャフがとれる
  2. 水洗いすると味が変わるといわれている

解説します。

理由(1)水洗いするとチャフがとれる

コーヒー豆を焙煎する前に水洗いすることでチャフが取れます。

 

このようにコーヒー豆はシルバースキンと呼ばれる薄い皮に覆われています。
水洗いすることでこれをあらかじめ剥がすことが可能です。

 

なぜシルバースキンを剥がすか?


シルバースキンをつけたまま焙煎を続けると
・焦る
・引火する
・スモーク臭がつく
このようなデメリットが生じます。

 

水洗いすることでシルバースキンをあらかじめ取り除くことができます。

 

理由(2)水洗いすると味が変わるといわれている

生豆を水洗いすることによって味が変わるともいわれています。

 

なぜ味が変わるのか?

・生豆は農作物の一種であり、洗うと汚れが落ちる
という意見もあります。

「汚れ」がとれると、
雑味が抜けて味がクリアになるといわれています。

 

一方でコーヒーの成分が抜けてしまい、
おいしくなくなるという意見もあります。

 

 

どちらが正確かは不明ではありますが、
私個人的にはチャフが抜けることで雑味や渋みが取れると考えています。

 

コーヒー生豆の水洗いから焙煎までの手順

水洗いから焙煎までの手順は

  1. 生豆を洗う
  2. 生豆を乾燥させる
  3. 生豆から欠点豆を取り除く

とてもシンプルです。

手順(1):生豆を洗う

表面のシルバースキンを流すようにして洗います。

 

いったん浸してから洗い始めると表面の汚れのようなものがとれて
このように水が濁ってきます。

 

前述の通りで水洗いをするとコーヒー豆に含まれる成分が抜けてしまうという見解もあります。

 

シルバースキンをさっと洗い流すイメージで、強めに洗うのはおすすめしません。

 

手順(2):生豆を乾燥させる

生豆を洗い終わったら次は乾燥させます。

トレイなどにキッチンペーパーを敷き、その上に生豆を乗せると乾きやすいです。
乾燥してくると取りきれなかったチャフがはがれてきます。

 

このときに豆同士を軽くこすってみると一部チャフを取り除くことができます。

 

手順(3):生豆から欠点豆を取り除く

最後にハンドピックしてみましょう。
水洗いしてみると、欠点豆もみつけやすくなります。

 

今回はブラジル・アマレロブルボンを水洗いしてみましたが、
死豆やカビを見つけることができました。

(ハンドピックについてはこちらで解説してます。)

 

コーヒー生豆を水洗いするとこうなった。

水洗いをしたことによって気づいたことが2つあります。

  1. 豆が割れた
  2. シルバースキンは完璧にはとり切れない

 

こうなった(1):豆が割れた

豆が割れてしまっていることに気づきました。

 

これに関しては、洗い終わってから乾燥させている際に、
豆が開いてきてしまっているようです。

 

 

こちらはブラジルの豆を水洗いしたものですが、
豆が大きく開いて割れてしまっているのが多く見られます。

 

 

今回は
100g水洗いし、
24gが欠豆でそのうち半分以上が割れてしまったものです。
(右)
個人的にはかなり多い印象です。

 

水洗いによってチャフを洗い流せる一方で
乾燥時に豆が開いて割れてしまうという難点もあるようです。

 

こうなった(2):シルバースキンを完璧には取り切れない

 

完全にはチャフを取り除くことがはできません。

 

コーヒーの成分が抜けてしまうことを考えて
弱めに洗ったのですが生豆が乾燥したところで確認してみると
チャフが残ってしまっているのがよくわかります。

 

コーヒー生豆を水洗いして焙煎するとどうなるか?

水洗いして焙煎したら下記の点に変化がありました。

  1. メイラードフェーズの長さ
  2. チャフの舞う量
  3. 焙煎後の豆の違い
  4. 香りの違い

面白い結果になりました。
解説します。

焙煎結果(1):メイラードフェーズの長さ

焙煎中の変化でとても気になったのが、
水抜きから1ハゼまでの時間の長さです(メイラードフェーズ)。

 

【ドライフェーズ】
加熱を初めて序盤の豆の色が黄色になる段階。
【メイラードフェーズ】
その後、1ハゼまでの段階がメイラードフェーズです。

 

今回の豆は
茶色に近づく段階で1ハゼが起きるのですが、

 

水洗いした豆の場合は色が茶色になってからも1ハゼは起きませんでした。

 

黄色になってから同じ火力にしてから色の変化はほとんど同じでしたが、
水洗いした豆のほうは色が茶色になってから強めに熱を与えなければハゼは起きませんでした。

 

(こちらも併せてご覧ください。)

焙煎結果(2):チャフの舞う量

チャフの舞う量については大きな差が出ました。

 

こちらは水洗いせずに焙煎し終わった際の様子です。

 

一方でこちらは水洗いした豆を焙煎し終わった際の様子です。

チャフは取りれませんでしたが、差は明らかです。

 

焙煎結果(3):焙煎後の豆の違い

焙煎後の豆はセンターカットが開いているものが多い印象です。

 

水洗いした豆としていない豆を比較してみると大きな違いは見受けられませんが、
注意深く見てみると豆の表面も部分的にしわがよく伸びている豆やセンターカットが開きながら膨らんでいる豆が多く見けられます。


(左:水洗いしたコーヒー豆 右:そのまま焙煎した豆)

 

また煎りムラも若干少ないようにも見えます。

 

焙煎結果(4):香りの違い


水洗いした生豆のほうが香りの弱さが気になりました。

 

お湯を注いだ際の香りに大差はありませんでしたが、
ブレイクした際の香りがまったくないように感じました。

 

今回のブラジル・アマレロブルボンはキャラメルのような甘い香りが特徴的ではありますが
水洗いしたコーヒー豆からはブレイク後にキャラメルの印象はなくなりました。

 

【考察】
今回は同じ焙煎度を目指しましたが、
要する時間が水洗いした生豆のほうが4分は度長めでした。
おそらくここで抜けてしまった可能性があります。味や香りに関しては条件をできるだけそろえた上で
もう一度検証してみることにします。

水洗いすると良いコーヒー生豆とは?

最後に水洗いすると良い(かもしれない)生豆を紹介します。

  1. エチオピア・イルガチェフ
  2. コモディティコーヒー

私の経験では上記のような生豆は水洗いすると良い印象です。

(生豆の選び方や購入方法はこちらで解説してます。)

エチオピア・イルガチェフ

まずエチオピア・イルガチェフです。

 

イルガチェフの豆には下記のような特徴がみられます。

 

エチオピアの生豆の特徴は?

・精製方法はナチュラル(天日干し)が多く、シルバースキンが多い
・豆が小さい(同じグラム数でも豆が多い=シルバースキンが大量)
・浅煎り~深煎りまで対応できる幅が広い

 

焙煎していてやはりイルガチェフはシルバースキンが特に多いです。
予め水洗いすると良いです。

 

エチオピアのイルガチェフはかなりおすすめです

・焙煎後のフレーバーが特に強い
・浅煎り~深煎りまで対応できる
・手に入りやすい

 


 

コモディティコーヒー

コモディティコーヒーも水洗いがおすすめです。

 

コモディティコーヒーとは?


・国や地域単位で集められたコーヒー。
例えば、ブラジルNo2とかグアテマラSHBなど。

 

このあたりは、スペシャリティコーヒーとは違って繊細なフレーバーや味も特にあるわけではないです。(美味しくないわけではありません!)

 

なので水洗いしてもチャフは減りますが、
味には大きな変化は感じられませんでした。

 

まとめ

今回はコーヒー豆の水洗いについてお話してきました。

水洗いすることのメリットとして

・チャフが舞うのを抑えられる。
・煎りムラも抑えられる。

その一方でデメリットは

・乾燥の段階で豆が割れる
・焙煎が多少難しくなる

このようなメリット・デメリットがわかりました。

コーヒー豆の水洗いの目的に
「チャフを洗い流す」ことが挙げられましたが、
こちらに関してはほぼ達成されています。

ですが、焙煎前から焙煎後までさまざまな違いが見受けられました。

水洗いする際にはぜひこのようなことも考えた上で行ってみてください。

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