コーヒー豆の焙煎については詳しく調べても
書籍などによっては書いてあることが違っていたりと
焙煎の方法に関しては初心者にとっては悩みの種です。
わたしも初めは焙煎の正しい方法がまったくわかりませんでした。
焙煎には正解はありません。
ですが、「嫌な味を避ける」ことが大切です。
これに関してとくにむずかしいことではありません。
簡単です。
そこで今回はこのような流れでお話しします。
- コーヒー豆の焙煎方法
- コーヒー豆の焙煎時に起こりうる失敗
- 失敗しないコーヒー豆の焙煎方法
- 焙煎したコーヒーの飲み頃
まずはコーヒーに関する経験値をお伝えします。
・コーヒー豆焙煎(2019年2月~)
今まででおよそ40,000gを焙煎。
回数にして200回~400回は焙煎をしました。
これまでの経験からお話しします。
コーヒー豆の焙煎はうまくできているかわかりにくいです・
ただ
「嫌な味を避けること」を意識して焙煎することでコーヒーはおいしく焼けます。
それでは解説していきます。
*この記事を最後まで読んでいただければ、
自信もって焙煎できるはずです。
*また今回は自宅で焙煎するということなので、100gの焙煎を前提とします。
コーヒー豆の焙煎方法
コーヒー豆の焙煎は3つの段階に分かれます。
【手順2:イエローフェーズ】
【手順3:ハゼ~煎り止め】
手順1:水抜き
初めは「水抜き」と呼ばれる段階です。
ゆっくりと温めることを意識してください。
だいたい4分から7分くらいでこの色になるようにしてください。
時間をかけすぎると渋くて酸っぱくなります。
それだけです。
解説1:生豆は芯まで火が通りにくい
生豆は火が通りにくく、それは木材並みと言われています。
火が強いと外側だけ焦げてしまいます。
解説2:生豆の水分を抜く
生豆の含水率は10%程度で、
芯までしっかりと焙煎しないと生焼けのような味になります。
「生焼け」についてはこちらで解説してます。
(生焼けとはこれ!失敗しない焙煎のコツから器具選定を解説します。)
解説3:時間をかけすぎない
時間をかけすぎると、渋くて酸っぱくなります。
検証では、家庭用の焙煎器具の使用で100gの場合は
だいたい10分未満が適切ではないかという結果がでました。
詳しくはこちらで解説しています。
(コーヒー生豆の焙煎時間はそれほど気にしなくていい。そう言える理由とは?)
手順2:イエローフェーズ
コーヒー豆の色が黄色~茶色になったら
3分ほど弱火で加熱し、香りを確認してください。
この間にさまざまな化学反応が起き、香りが形成されていきます。
手順3:ハゼ~煎り止め
ハゼが始まったら火力を弱めます。
豆の色味とハゼとの時間をみて好きな焙煎度で煎り止めしてください。
解説4:1ハゼ
1回目のハゼを「1ハゼ」と呼びます。
コーヒーの生豆は加熱していくとある段階で柔らかくなります。
この段階での温度をガラス転移温度と呼びます。
そしてまたある段階で固くなっていきます。
生豆を加熱していくと水分の蒸発などにより内圧が高まります。
一方で豆の硬化も始まり、
「パンッ」という大きめの破裂音が聞こえます。
これが「1ハゼ」です。
1ハゼが終わってから2分~3分後に2ハゼが起きます。
解説5:2ハゼ
2回目のハゼを「2ハゼ」と呼びます。
ここでは「ピチッ」という小さめの破裂音が聞こえます。
豆によってさまざまですが、ハゼは1分から2分続きます。
二酸化炭素の発生による内圧で豆の外壁が破裂します。
そのせいか、2ハゼが始まると楕円形の黒い焦げのようなものを見つけることができます。
外見が気になる場合は2ハゼ前に止めることをおすすめします。
解説6:煎り止め
焙煎を止めることを煎り止めと呼びます。
煎り止めでは豆を一気に冷やしてください。
内部に熱で焙煎は進行してしまいます。
解説7:焙煎度
あらかじめ焙煎度を狙ってから焙煎を始めましょう。
8段階の焙煎度では下記のようなタイミングで止めると良いでしょう。
1ハゼピーク時 → シナモンロースト
1ハゼ終了時 → ミディアムロースト
1ハゼ終了時から1分後程度 → ハイロースト
2ハゼ時 → シティロースト
2ハゼピーク時 → フルシティロースト
2ハゼ終了時 → フレンチロースト
2ハゼ終了時から1分後程度 → イタリアンロースト
正確な焙煎度を知りたい方はロースティングチャートを使って
色味を見ながら煎り止めのポイントを探すと良いでしょう。
解説8:保存方法
豆が常温程度まで冷めたら、密閉できる保存容器にいれておきます。
焙煎直後から1日程度は若干ふたを開け気味にしておき、煙の香りを抜きます。
焙煎後4日後以降が飲み頃です。
コーヒー豆の焙煎時に起こりうる失敗
自宅でコーヒー豆の焙煎時には
3つの失敗が起こりやすいです。
失敗1:煎りムラ
豆の色にばらつきが出てしまった状態です。
撹拌不足が主な原因です。
失敗2:生焼け
外見に問題はないようでも、豆の中まで火が通っていない状態です。
のんでみるとシャープな酸味とえぐみが感じられます。
急激な温度上昇によって起こります。
失敗3:加水分解
時間をかけすぎると渋みや酸味が生まれます。
クロロゲン酸に水が加わる「加水分解」が起きすぎたことが原因です。
失敗しないコーヒー豆の焙煎方法
上記のような失敗を避けるには
対策1:手回し焙煎機をえらぶ
自宅で焙煎するのであれば、慣れないうちは手回し焙煎機をおすすめします。
手回し焙煎機のメリットとしては高い撹拌能力が挙げられます。
これによって煎りムラを避けることが可能です。
詳しくはこちらで解説しています。(焙煎に失敗しない!アウベルクラフトの手回し式コーヒー豆焙煎機がおすすめな理由!)
対策2:焙煎しやすい生豆を選ぶ
次に焙煎しやすい生豆の選定を選定しましょう。
肉厚な豆が多い銘柄や、スクリーンサイズにばらつきが多い銘柄もあります。
このような銘柄ではコーヒー豆の焙煎の知識が必要だったりします。
詳しくはこちらで解説しています。(コーヒー生豆のおすすめ購入方法や選び方も解説!)
対策3:焙煎量を固定する
焙煎量を固定することで、安定して焙煎することができます。
自宅で焙煎する場合は100gがおすすめです。
・トライ&エラーを多く繰り返せる
・手網焙煎器具でも疲れにくい
このようなメリットがあります。
まとめ
今回コーヒー豆の焙煎の方法について解説しましたが、
大切なことは「嫌な味を避ける」ことが挙げられます。
焙煎の方法については様々な意見がありますが、
どの方法でも「嫌な味を避ける」ことについては共通しているように思えます。
焙煎の方法には正解はありませんが、
失敗しない焙煎方法についてはとてもシンプルです。
今回は以上です。