今回はこのような疑問にお答えします。
しっかりとしたコーヒーの味を求めるのであれば
ハンドピックは必ずやりましょう!
確かに疲れる作業だし、時間もかかるのは当然です。
ですがハンドピックをするだけで
その後の焙煎や抽出でも大きな影響があります。
それを踏まえて今回はこのような内容をお伝えします。
- なぜコーヒー生豆のハンドピックが必要なのか?
- コーヒー生豆のハンドピックの方法とは?
- コーヒー生豆のハンドピックにかかる時間は?
- ハンドピックではじいたコーヒー生豆の活用方法は?
まずはコーヒーに関する経験値をお伝えします。
・コーヒー豆焙煎(2019年2月~)
今まででおよそ40,000gを焙煎。
回数にして200回~400回は焙煎をしました。
これまでの経験からお話しします。
この記事を最後まで読んでいただければ、
ハンドピックがしっかりできるようになります。
なぜコーヒー生豆のハンドピックが必要なのか?
欠点豆が多く含まれている
欠点豆は焙煎しても良い味がでるわけではありません。
取り除く必要があります。
前述のとおり、生豆には欠点豆が多く含まれます。
出荷の段階までにカビが生えてしまったり、虫に食われたりと
一部の豆にダメージが加わります。
このような豆を欠点豆と呼びます。
比較的品質が良いと格付けされている豆であっても
ハンドピックをしてみると必ずと言っていもいいほど欠点豆が含まれています。
取り除くことによって銘柄本来の味を出すことが可能です。
煎りムラを防ぐために必要
欠点豆があると煎りムラが生じます。
煎りムラといっても欠点豆自体に火が通りやすかったり、
通りにくかったりと煎りムラの原因でもあります。
煎りムラが起きると各々の豆で焙煎度が異なり
味にブレが生じます。
コーヒー生豆のハンドピックの方法とは?
用意するもの
基本的はお皿がいくつかあると便利です。
私がハンドピックするときには以下のものを用意します。
生豆をすべてこちらにあけます。
・小皿2枚
欠点豆とピーベリーを取り除きます。
・プレート2枚
1枚が取り分け用ともう1枚がスクリーンサイズ小さめのもの用です。
はじくべき生豆とは?
はじく豆にはこのようなものがあります。
・虫食い
小さめな穴が開いているのが特徴です。
・カビ
緑色に変色している豆はカビです。
・黒豆
黒くしぼんでいるような豆は発酵してます。
・ピーベリー
このような丸っぽい豆はピーベリーと呼ばれ、
欠点豆ではありませんが火が通りにくいので取り除いておくのがおすすめです。
毎回集めて焙煎しています。
・割れ豆
インドネシアの豆には割れてしまっている豆が多く見られます。
・異常交配
豆の形が変形してしまっているものです。
これらはあくまでも一例です。
明らかに見た目が異常なものは取り除きましょう。
具体的なやり方とは?
具体的なやり方は、やりやすいようにやるので大丈夫です。
私の場合は、上のように列を作りながらはじいていきます。
今回は「ニカラグア・ジャバニカ ラス・カルメリタス農園」のハンドピックをしてみました。
2時間(1kg)
数量:
スクリーン大 665g
スクリーン小 206g
ピーベリー 113g
欠点豆 16g
(左)スクリーン大(右)上から欠点豆、スクリーン小、ピーベリー
似た目スクリーンサイズにばらつきがあり、ピーベリーがとくに多い印象です。
ピーベリーをはじきつつ、スクリーンサイズも小さめなものをまとめました。
今回はスクリーンサイズも分けましたが、
これは必須ではありませんがおすすめです。
(もしやらなければ1時間くらいで終わります。)
焙煎がしやすくなります。
どこまでやればいいのか?
どこまでやればいいのかという点については明確な基準はありません。
やりすぎても生豆がなくなってしまいます。
私のおすすめは「焙煎するのにスクリーンサイズや品質が均一になったな」と感じた段階で終わりにすることです。
結局のところ終着地点は「焙煎しやすくする点」にあるためです。
コーヒー生豆のハンドピックにかかる時間は?
。
コモディティとスペシャルティ
コーヒーの種類によって欠点豆が含まれる数に大きな差があります。
コーヒー豆の種類には大きく分けて
コモディティコーヒーとスペシャリティコーヒーに分けられます。
ざっくりとこのようにとらえてもらえればわかりやすいです。
【コモディティコーヒーとは】
・国や地域単位で出荷されたもの
例:ブラジルNo.2 グアテマラ SHBなど
【スペシャリティコーヒーとは】
・国や地域よりも農園名などより生産地が細分化されているもの
例:パプアニューギニア シグリ農園など
コモディティコーヒーの特徴
今までハンドピックをしてみてコモディティコーヒーは特に欠点数が多く、
一方でスクリーンにもムラがある印象です。
このような原因としては国や地域によって品質評価の基準が異なるためです。
例えばこのような基準があります。
・スクリーンサイズ
・標高
そのため欠点豆の数が多くてもスクリーンサイズがそろっていたり、
スクリーンサイズがそろっていても欠点豆が多かったりするのが大きな特徴です。
スペシャルティコーヒーの特徴
スペシャリティコーヒーに関してはハンドピックはしやすいのもある一方で
半分以上が欠点豆だったりするケースがあります。
コモディティコーヒーよりかは品質は良好なので
とてもハンドピックはしやすいです。
先ほどハンドピックした生豆はスクリーンサイズにばらつきがあったものの、
ピーベリーと欠点豆でいえばおよそ10%程度しかハンドピックの対象になりませんでした。今回は品質の良さが現れています。
ハンドピックではじいたコーヒー生豆の活用方法は?
焙煎度の変化を試してみる
おすすめは焙煎の実験をしてみることです。
一部の焙煎器具では焙煎中に豆の変化がわかりにくいです。
欠点豆を使ってじっくりと豆が変わっていくのを眺めていると
様々な発見があります。
飲むのはおすすめしません
飲めないわけではありませんが、おすすめはできません。
当然のことながら元の生豆がカビていたり、
虫食いの場合は身体にどういう影響があるのかわかりません。
味に関しても飲みたい味ではありませんでした。
まとめ
私自身ハンドピックが面倒で途中でやめましたが、
焙煎を重ねていくうちにその大切さに気付きました。
味の個性をしっかりすために、
またムラのない焙煎を目指すためには
生豆の大きさなどを均一にしていく必要があります。
面倒でもハンドピックをするようにしていきましょう。